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2007年04月07日

珍品コンピューター CEFUCOM-21とパピコンの関係

どうですか?
とてもインパクトあるデザインの
コンピューターでしょ?!

CEF06_R.jpg

このコンピューターは
「Multipurpose SLAP Computer CEFUCOM-21」という
コンピューター。実は、名機「PC-6001」とも
ほんのチョット関係のあるマシーン。

いったいどういったマシーン
だったかというと・・・。


「CEFUCOM-21」は、
日野電子株式会社というところから発売されていた
コンピューター学習機です。1983年ごろの製品。
専用ソフトにより、「コンピューターの学習」や
「英語の学習」が出来ます。
でも、学習専用機と言うわけではなく、
ちゃんとプログラム作成などの、「パソコン」
としても使用できます。
CEFU01_R.jpg

<仕様 マニュアルより抜粋>
CPU Z80×2
CTC×3
EPROM 58Kバイト
DRAM  48Kバイト
CRAM  4Kバイト
Video RAM 6Kバイト
Timer CMOS
シンセサイザー
プリンター・インターフェイス
CRTインターフェイス
カプター・インターフェイス
表示ドット数 最大256×192
カラー 最大 9色
ステートメント 38
コマンド 11
組み込み関数 32
寸法 210×520×485
重量 10kg
消費電力 80VA


とにかく、でかい。SHARPのMZ-80Bよりは小さいけど。
でも、見た目のわりには軽い。中がスカスカなのかな?

で、その実体は、サンヨーから1982年に発売されていた
マイコン「PHC-25」の互換機。
ただし、PHC-25とは異なり、内臓専用ハードである
「カプセルイジェクター」、「アラーム」、
「テープレコーダー」等を制御出来るようにCPUも
Z-80が2個に増えていたりと、カスタマイズ
&パワーアップされたものとなっています。
詳しくはわかりませんが、細かな仕様がPHC-25とは
違うようです。(ほとんど同じですが)
BIOSもCEFUCOM-21専用になっているため、起動画面も
学習用に異なったものとなっています。

「PHC-25」として使いたい場合は、BASIC(CEFUCOM BASIC V1.0)
を起動させることとななります。そうするとパソコンとして、
自由にプログラムを組むことが出来ます。
CEFU10_R.jpg





 そんでもって、PHC-25自体もNECの大ヒットパソコン、
「PC-6001」の準互換機となっていました。

PC-6001のCM(YouTube動画)

昔はコンピューターという一般的には得体の知れないものを
教育用にも売り出そうと言うのが良くわかりますね(笑)

話を戻して、
なぜ互換性に「準」が
付くかと言うと、BASICレベルでの互換機となっている
ため。したがって、膨大なベーマガ等のPC-6001の
BASICプログラムは、自分で打ち込むことによって
PHC-25やCEFUCOM-21でも動かすことが
出来てしまうわけ。こいつはすごい。
(ただし、細かなところで非互換なところがあるらしい)
ただし、PC-6001のデータレコーダーでカセットテープに
SAVEしたプログラムをCLOAD出来ない。逆に、PHC-25や
CEFUCOM-21でSAVEしたものはPC-6001でCLOAD出来ない。
 当然のことながらBASICレベルでの互換性なので、膨大な
PC-6001の市販ソフト資産は生かすことが出来ません。
ちょっと中途半端な互換性だ。

ちなみに、PHC-25でSAVEしたものが、CEFUCOM-21で
LOADできるかは不明です。なんせ、PHC-25を所有して
いないので試しようがありません(笑)

そもそも、CEFUCOM-21とPHC-25が互換というのも
最近インターネットで知った情報です。
いくつかの海外サイトで確認したので間違いないでしょう。
しっかし、CEFUCOM-21の情報少ないですねえ。かなり
マイナーことは間違いありませんネ。
 そもそもPHC-25の情報も激少ない。でも、エミュレーターが
存在するので、以外に「どんなものか」と試した方は多いかも。


そういうわけで、「PHC-25」の互換機である「CEFUCOM-21」も、
実は「PC-6001」の準互換機であったと言えますネ。

CEFU12_R.jpg


ちなみに、PHC-25は音楽再生用のPSGがオプション扱い
だったのですが、CEFUCOM-21はPSGをちゃんと内臓して
いるのでPSGによる3重和音の音楽再生もばっちりです。

このCEFUCOM-21を学習用に買った人にしてみれば、
どうせなら超マイナーな「PHC-25」の互換機であるよりも
ゲームソフトもいっぱい発売されていた「PC-6001」
の互換機にして欲しかったところですが、その辺は
なにか「大人の事情」というものがあったのでしょう。

 でも、説明書にはどこにもPHC-25のことは記されて
いませんし、何かの互換機であるということ自体、販売
戦略に無かったのではと思います。むしろ、開発者は、
他社の技術に頼っていることを良しと思っていなかった
のかもしれませんね。本当は、技術者の誇りにかけて、
自社で開発したかったとか(笑)


 画面の出力にはデジタルRGBも使用可能なのだが、ビデオ
出力とRF出力も備えている。当時のホビーパソコンは、
ビデオ出力を使うことが一般的でした。

CEFU09_R.jpg

グラフィック画面は「PC-6001 パピコン」に似ています。
画像は、パソコン習得ソフトに収録されていたサンプル
学習用プログラム(およびミニゲーム)です。

CEFU04_R.jpg

実際、PHC-25の画面もPC-6001に似ていたので、当たり前
といえば当たり前です。
あの、バタクサイ画像、あの文字を読むのさえ大変な
「にじむ画像」がしっかりと堪能できます(笑)
まさに、PC-6001を使っている感じがします。
(ただしテキストモードは雰囲気が違います)

CEFU07_R.jpg


ちなみに、本体背面にはパピコンやMSXでもおなじみの
ATARI仕様のジョイスティック端子も付いています。

ところで、キーボードの上のごちゃごちゃしたキーが何か
気になりませんか? 実はこの上のキーを使って、電源を
入れたり、カセットレコーダーを直接制御したりします。
また、このマシーン専用のファンクションキーも配置され
ています。また、学習ソフト使用時の学習時間管理などの
LEDも付いています。

シャープのMZ−2500(SUPER MZ)のように、
データレコーダー兼音楽再生用のカセットテープデッキが
付いています。
CEFU03_R.jpg
 プログラムのロードだけではなく、
普通のカセットテープデッキみたいに音楽の再生も出来ます。
こいつのすごいところは、カセットテープからLOADしながら
も、ちゃんと同時にプログラムも動いているということ。
そして、ステレオカセット(2ch)の片チャンネルはプログラムで、
もう片方が音声になっているので、プログラムをLOADしながら
カセットテープからはファンキーな音楽や音声が流れてきます。
学習ソフトからはカセットテープを自由自在に制御して
いるため、画像にシンクロして、カセットテープからも
音声やBGMを流したりしています。
場合によっては内臓のPSGにより音や音楽(ファンファーレ)を
流したりもしています。

まさに、CD-ROMで実現していたようなことを、カセットテープで
やってしまっているわけ。こういったことがMZ-2500が登場する
5年前に、すでに実現していたというわけです。
 さすがに、MZ-2500みたいに、留守番電話になったり、音声を
自動録音したりまでは出来ませんが、当時としてはすごいこと
だったように思います。CD-ROMが登場する前としては、
画期的アイデアだったことは間違いありません。



 ちなみに、CDの付いていないスーパーファミコン版の
エミット(遊んで英語が学べるソフト)も、これに似たような
ことをやっていましたね。付属の専用ワイヤレスコマンダー
(ワイヤレスリモコン)をスーパーファミコンで制御して、
ラジカセ等のCDプレーヤーにセットした音声入りのCDを
タイミング良く音を鳴らしたり選曲したり止めたりと言う
仕組みでした。
ちなみに、EMITは「光栄」から発売されたソフトで、
もともとはFM-TOWNS用のソフトでした。豪華スタッフでも
話題になったソフトです。



話をCEFUCOM−21に戻して・・・。

 面白いのが、カプセルイジェクターの存在。
CEFU13_R.jpg

本体の左側に付いている、TV画面みたいなのが、
それだ。

CEFU02_R.jpgCEFU08_R.jpg
(クリックで拡大します)


最初は、ここにパソコンの画面が出るの
かと思っていたのだが、それは違うのだ。
ここに横からカートリッジ式の特殊な紙芝居を差し込み、
プログラムに同期して、自動的に絵が変わる
仕組みになっている。

CEFU15_R.jpg

まさに、自動ページめくり機能
付きのテキスト(本)といった感じだ。
昔のバスや電車のくるくるロールが回る「次の停車場所の表示」
みたいなのを想像してもらえば良いかと思います。
 また、絵が変わるときはいったんシャッターが閉じて
真っ黒な画面になるので、絵がグルグルまわっている様子
は見えないようになっている。ガシャンという音とともに、
この動作がなんだかエレメカのようで見ていて楽しい。
 貧弱なグラフィックしか出せなかった昔のパソコンの
ハンデをこのように解決したのはアイデアものですね。
ただし、あくまでも絵なので、動きは表現出来ない。
TV画面+紙芝居画面と2画面なのは、
見ていてすごくインパクトがありますね。
CEFU14_R.jpg
 ちなみに、このカプセルイジェクターについて、
「特殊印刷をロール状にしたカプセル式の
オートテキスト機能」と説明書には記されている。

ところで、中身はどうなっているのかなあ?と気になったのだが、
貴重なマシーンなだけに、分解するのはちょっと怖い。
CEFU26_R.jpg

でも、たまたま海外のサイトで分解画像を発見したので、
画像を拝借させていただきました。大きな画像を見たい場合は
本家をご覧ください。
http://www.acbm.com/olivier-aichelbaum/musee/cefucom/

CEFU22_R.jpgCEFU23_R.jpg
CEFU24_R.jpgCEFU25_R.jpg


このように、当時としては、未来を感じることが出来た
「CEFUCOM-21」。CAI(コンピューター学習)用の
コンピューターなので、仕方ないと言えば仕方ないけど、
どうせならこの特殊なハードを生かしたゲームソフトも
どこかのメーカーから出して欲しかったなあと思います。



























posted by retrogamer at 23:59| Comment(4) | TrackBack(1) | CEFUCOM-21 (SANYO PHC-25) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここ最近、この記事へのアクセス数が増えている! 


 なぜ? って思ったらヤフオクで
Cefucom-21が出品されているからなんだね。

入札しようとしている方の参考になっていればいいのですが・・・。

 レトロハードマニアには買って損ない逸品かと思います(^^)

Posted by retrogamer at 2008年05月18日 08:11
PHC−25とPC−6001を両方使ったことがあります。
たしかPC−6001のBASICをPHC−25はテープから普通に
読み込んでいたような気がします。
グラフィックモード3のカラーコードが違っていてPC−6001のカラーコード
のままだとPHC−25では色が
おかしくなっていた記憶が有ります。
記憶違いかも。25年くらい前の話ですし。
Posted by はーふ☆ at 2010年02月03日 00:58
詳しい情報ありがとうございます(^_^)

実はPC-6001mk2と、6601と6601SRと、
cefucomと所有しているので、その気に
なれば色々と実験ができます(^^)

でも、近日に結婚&引っ越しをするので、
全て売却したり、友達に譲る予定です(><)

時間があれば、それまでにいろいろ試して
みたいですね(^O^)!
Posted by retrogamer at 2010年02月03日 11:14
結婚ですか
おめでとうございます
やはり趣味は・・となるとそうなりますよね
あと追加の話で当時PC-6001のBASICで自作のグラフィック描画プログラムを作っていて
機械語のペイントルーチン制作を友人に依頼したことがありまして
友人はPHC-25で動作検証をやっておりました
まあリロケータブルに作ればそのまま使えるということでしょう
Posted by はーふ☆ at 2010年02月06日 02:13
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