なくなってしまったポケコン。
もちろん、ポケモンとは何の関係も無い。

ポケコンの特徴はと言うと・・・
<ポケコンとは!?>
ポケコンとはポケットコンピューターの略。
その名が示すとおり、本当にポケットに入ってしまうぐらい
小さなコンピューター。
多くのポケコンは背広の前ポケットや内ポケットに
スッポリ収まる。
小さなものだと、長財布ぐらいの大きさなので、本当に
ズボンの後ろポッケに入ってしまいます。
いずれにしても、手のひらに乗ってしまう小ささです。
多くは単三や単四の乾電池で動き、電池の持ちが非常に良い
のが特徴。中にはボタン電池で100時間動く機種も存在しました。
バックライトの無い、ドットマトリックス モノクロ液晶表示が主流。
表示が1行しかなく、しかも文字しか表示できない機種から、
フルグラフィック(モノクロ)が表示可能な機種まで多種多様。
ノートパソコン以上に、手軽に どこでも使用できます。
主に、1980年代に普及し、ノートパソコンや
電子手帳の登場とともに、使用者はマニア層や、
学習用へと用途が変化していきました。
また、多くの機種は安価だったため、気軽に購入できました。
(もちろん、高級機も存在しました)
小さいため、CPUは非力で、メモリも少ない。
プログラムを完全保存
するのもカセットテープレコーダーにつないだり、
RAMカードを使ったり、機種によっては
フロッピーにつないだりと手間がかかる。
その反面、スイッチを切っても今打ち込んでいる
(または実行可能)なプログラムが消えないため、
手軽に いつでも どこでも ちょっとした時間でも
プログラムを組むことが出来ました。
初期のポケコンのプログラミング言語はBASICが主。
Cやアセンブラなど、マルチで色々搭載した機種もあります。
<ポケコンの存在意義>
ノートパソコンが まだ存在していなかったころに、
どこにでも手軽に持っていけるパソコンの代わりとして、
発展していきました。
バッテリーの持ちが良いので、当時から存在していた
「ハンドヘルドコンピューター」よりも現場では
重宝しました。たとえ、電池が切れても
安価な乾電池で動くので、予備電池が簡単に
手に入るのも大きな強み。
(コイン型の機種もありますが)
※ 実際は どちらかというと、ポケコンは
パソコンの簡略化マシーンというよりは、
関数電卓の発展系という性格のほうが強い。
そのため、パソコンでも用意されていないような
複雑な関数が、標準で豊富に用意されています。
対してハンドヘルドコンピューターは、パソコンの
簡略化によりポータブルを目指し、ラップトップは
パソコンそのものを小型化することを目指していた
ように感じます。ラップトップの多くは、バッテリー
駆動できなく、「移動が容易なデストップ」という
位置付けの製品もけっこうありました。
<ポケコンの使用用途>
主な使用目的は、
・電卓として
・科学技術計算電卓、関数電卓の代わりとして
・メモ帳として
・簡単なアプリケーションの作成&実行用として
・たとえば、金利計算のプログラムやローン金利の
プログラムを組んでおき、訪問販売のときに使用する。
・例えば、オームの法則をプログラミングしておくと、
使いたい抵抗の種類(抵抗に印刷されているカラー)
や、ボルト、アンペアなども表示できたりする。
このように、
複雑な計算もプログラムすることで可能となるので
「電卓の発展系」としても使われていました。
・工事現場で構造計算をしたり、工場で生産性の計算を
したりと、いつでも、どんな現場でも手軽に
使用できた。
(今ではノートパソコンが活躍してるけどね)
・ゴルフのスコア計算のプログラムを組んでおいて、
実際にコースを回りながらスコアを
入れることにより、
色々な集計が出来たりする。(簡易データベース?)
実際に生活に役立てることも出来た。
・オプションでプリンタやプロッタが制御できたので、
簡単なレシート発行機としても使用できました。
・プログラムが自分で作れる!
プログラムつくりが手軽に出来る。
コンピューターの仕組み(ソフトウエァ)
の勉強が出来る!
色々な特徴がありますが、
ポケコンならではの最大の特徴は、
どこでも、お手軽に、思いついたときにプログラムを
入力して即実行できるお手軽さが良い
といったところでしょうか。
ちょっとしたゲームを、工夫次第で
自分で作ることも可能でした。
(かなり、スキルを上げないと自作は無理ですが)
また、ゲームを自分で作れない方でも、当時、
プログラムが掲載された雑誌が発売されていましたので、
その本のとおりにプログラムを打ち込むことにより、
ゲームを楽しむことも出来ました。
それをちょこっと改造するだけでも、自分で
凄いことをやり遂げたという気分を味わえました(笑)
※主な「ポケコンのプログラム」を扱っていた雑誌
・マイコンBASICマガジン
・I/O
・PiO(なんとソノシート レコードが付いていて、
それにプログラムが・・・)
・ぷろぐらむ ポシェット
・ポケコン ジャーナル
ゲームはモノクロ液晶ですので、今のゲーム機とかと
比べれば、天と地との差で、
たいしたものは作れませんが、それでも、
手のひらの上で、自分で打ち込んだゲームが
動いているのは感動したものです。
<ポケコン 超マニア の ばあい >
スゴイお方になると、ポケコンでハードウエアを学んで
しまう。
まずは、改造から始まる。
液晶のバックライトを内臓してみたり、ブザーを自分の
好みのものに取り替えたり、カバーを塗装したり、
メモリを自分で増設してしまったりと、本当に熱い。
しかし、もっと「すごい」のが、ポケコンを制御マシーン
として実用的に使うお方もいるということ。
・たとえば、MIDI制御ができるように改造した方。
(この場合はプログラムも かなりのテクが必要)
・ロボットをポケコンで制御する
(プラレス三四郎?)
・ポケコンで自作サンプリングボードを制御する
・ポケコンで鉄道模型を制御して、鉄道ダイヤまでも
プログラムしてしまった人も
世の中にはすごい人がたくさんいるものです
ポケコンがきっかけで技術者になる方も多かった。
<ポケコン 現在は・・・>
ポケコンも、プログラムを組むためのものから、
だんだんアプリを利用するものへと変貌して
いきました。
たとえば、電子手帳。PDA、パーム、ザウルス、
などなど。
一時期はモバイルコンピューターとかって
言われていた小型コンピューターも
パソコンのエッセンスを取り入れながら
ポケコンから進化&派生したと
思いませんか?
そんな、小型コンピューターも、携帯電話が
ここまで高性能化した今は、絶滅の危機に(泣)
反面、携帯電話なら、たいがい いつも持ち歩く
ので、いつでもコンピューターを持ち歩いているような
ものですね(笑)
すごい時代になったものです。
でも、ポケコンには、ユメがある!
自分でいろいろプログラムが作れる!
そんな夢のつまったポケコンも
今では、「工学生のお供」として、工業系の学校で
学習教材として使われるぐらいになってしまいました。
(実際、どれぐらいの学校で今も使っているかは不明ですが)
でも、趣味で使い続けている方も多数お見えで、
エミュレーターまで存在します。
興味のある方は、ネット検索してみてください。
たくさん、検索結果がヒットしますよ。
<エピローグ>
今回は、「ポケコン」とは
どういうものであったかというお話。
今回、読んで頂いた方の中には、今回の内容を
「そんなの常識だよ!」と思ったも多いかと思います。
でも、
ポケコンが引き出しに眠っている あなた、
ひさしぶりに電源を入れて、
昔の「ときめき」を思い出してみてはいかがでしょうか?
ポケコンを始めて知ったあなた、
「そういうものもある」と思っていただくだけでも
紹介したかいがありました。
現役で、ポケコンを使っているあなた、
おみそれ致しました(笑)
今回も長文になってきましたし、今回はこの辺で。
また後日、retrogamerが所持しているポケコンを
紹介もしますね。
実を言いますと、
私も、ファーストポケコンは
PB-100でした(笑)
それも、入手は私もホームセンター。
値段は、3,980円でした。
(サンキュッパだったので未だに
覚えている)
でも、キャラクターだけで、1行
表示だったので、なかなか活用するのは
難しかったですね。
ベーマガに投稿で載っていた「抵抗のカラーを表示する」プログラムが一番役にたちました。(抵抗値を示すカラーコードはなかなか覚えれないので・・・)
自作ゲームだと、完成出来たのは結局は
テキストアドベンチャーをプログラム化したゲームぐらいでした。
ベーマガは、初期のころは
テキストアドベンチャーが掲載されていたので、そのシナリオも参考にしてました。
でも、あまりにもメモリーが少ないので
結局は途中で「打ち切り」になった
ドラマみたいな展開のシナリオになって
しまいました。
でも、そんな苦労も、今思えば、
楽しい思い出です。
ほんとうに、ユメを見てました(笑)
ユメを実現するために、さらなる上位
ポケコンを後に買うわけですが・・・。
そのお話は、また、いつか記事にして
いきますね。
実は仕事でも、今でも当たり前のように毎日使っていたりします。設計なので。
ですから、ポケコンが製造されなくなって、結構困っています。
今でも現場では現役なんですね(^_^)
電池で長時間動くし、小さくて機動性もばっちりだからなのでしょうね。BASICもインタプリタゆえ、気軽に科学計算とかもできちゃいますしね。
私も、たまにポケコンでミニプログラム作って遊んでますが、自分でちょっとしたものでも創造するのって面白いですね。