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2007年09月11日

フラクタルエンジンの奇跡 FM-TOWNSバンザイ

 当時はどこのパソコンショップでも、このデモが
再生されていたものです。
FRACTALDEMO_R.jpg

FRACTALDEMO (1)_R.jpg

今回は、フラクタルなお話。
<今見てもかっこいい>



(Fractal Engine Demo)



<当時は衝撃的だった>

 このデモを見るたびに、FM-TOWNSって、スゴイ
パソコンなんだなあって思ったものです。

ちなみに、そのころのTOWNSは
「ハイパーメディアパソコン」という肩書きを
持っていました(^o^)!

 TOWNSユーザーの多くがこのソフトを購入したモンです。
家で何度もじっくり見たもんさ。友達にも自慢げに見せたりね。

 また、このソフトのおかげで、FM−TOWNSの
販売台数も増えたはずだ。





<フラクタル理論って!?>


 フランスの数学者である ブノワ・マンデルブロ が
提唱した幾何学の概念。氏の名前をとって、
「マンデルブロ」とかとも言われていますネ。

「図形の部分と全体が自己相似になっている」という
なんとも難しい理論。
 部分・部分を拡大すると実は全体と同じような
構造になるという性質のこと。

つまり、こういうことですね↑

 たとえば、身近なところでは、海岸線の形、
樹木の枝分かれ雲の形などがフラクタルな性質
であるといえますね。

 フラクタル自体はとても複雑な構造なんだけど、
実は定量化(数式化)されている。
それがフラクタル次元!

 このフラクタル次元を用いることで、コンピューター
グラフィックスにおいて、自然の地形にそっくりな
架空の地形を作り出すことが出来るわけです。

 フラクタルを用いたゲームにおいては、
砂漠の地形、岩山、草原などがまるで
自然界に存在する本物かのように
3DのCGで描かれたものが
使用されています。

また、カオスなCGも描き出すことも出来ます。



宇宙の神秘、生命の神秘みたいなCGでGOOD.
なんとなくダライアスを思い出しませんか?

※Youtubeには、他にもいっぱいフラクタルやマンデルブロ
関連の画像がころがっています。興味のある方はいろいろ
見てみましょう。


「簡単な計算式から、無限に複雑な形象を表現することが可能」
なのが、フラクタルなんだけど、正直、難しくて、
retrogamerは、まったく理解できませんでした。
でも、自分で作ったプログラムでフラクタル遊びが
出来たらステキですよね。

 もっとも、CGソフトを用いたり、フリーウエアでも
手軽にフラクタル図形を描くことも出来るので、そういう
もので試してみるのも楽しいですね。

 フラクタル理論に、
興味を持った方は、以下のHPで研究してみてください。

●土屋研究室 
フラクタルとは
http://obog.ome.meisei-u.ac.jp/~tuchiyaob/fractal.html

フラクタルに触れてみよう
http://obog.ome.meisei-u.ac.jp/~tuchiyaob/furac-1.html
 

●CodeZine:再帰プログラムによる
フラクタル図形の描画(幾何学, 再帰, java, フラクタル)
http://codezine.jp/a/article.aspx?aid=73


●フラクタルプログラム
http://homepage2.nifty.com/m_kamada/fractalp.htm

●Mathematicaによるフラクタル図形 
http://www.cssa.chs.nihon-u.ac.jp/~szklab/hura3.html




<もともとはホントにデモソフト>

 さて、お話をTOWNSのフラクタルエンジン デモ
に戻します。

 もともと、このデモは東京ドームで開かれた
TOWNSのイベント「1990年 電脳遊園地」での
シグノシスの技術お披露目のためにつくられたソフト。
だから、6MBのメモリに、40MBのHDという、
当時としてはハイスペックな環境で動いていました。

 当時のTOWNSの標準構成だと2MBのメモリと
ハードディスクは無し。8MBのメモリが非純正で、
しかも安売りの店で買っても3万円はしていた時代。
ハードディスクだって120MBぐらいで10万円
ぐらいはしていた時代です。

 4MBのメモリだって2万円、40MBのHDだって
5万円はしていました。

 それを思えば、今の時代はすごいですよね。




<でも、さらに もともとはAMIGA>

この凄いなあって思っていたデモだけど、実はTOWNSが
オリジナルじゃあ無かったんです。

 英国のゲームメーカであった「PSYGNOSIS社」が、
日本では馴染みの薄いAMIGA用に開発したゲームソフトの
デモ画面を集めて、TOWNSでも再生できるようにしたもの。
やっぱ、AMIGAはすごい。


※Psygnosis(シグノシス)といえば、レミングスやワイプアウト
でも有名だったメーカー。
現在は、たしかソニーの一部になった(未確認情報)
ブランド名は一応現存するようだ。

 とはいえ、AMIGAでの表示方法と、TOWNSでの表示方法は
ハードウエアだって違うし、当然まったく違う。

 多分、一から作り直しているはず。

 当時のCD−ROMは当然、等速。100KB/Sぐらいの
転送能力しかなかったわけです。
 だからまともに絵を転送して表示していたら、せいぜい、
秒間2コマぐらいの表示となってしまいます。

 でも、このフラクタルエンジンデモでは、秒間20コマぐらい
のクオリティがありました。
 当時は今みたいなMPEGのような圧縮・展開はCPUパワーが
無いため、専用ハード(MPEGボード)が無いと実現不可。

 圧縮されたデータを展開しながら再生しているのには
違いないけど、MPEGのように当時としては 
おおがかりな仕組みは利用できないわけで、それを
標準構成のTOWNSでやってしまったのが
すごかったわけだ。

では、どうやって実現しているのか?

 まだ動画再生が、ほとんどなかった時代。

※当時の動画は動きも少なく、小さな窓に表示されるような
感じなのが主流。アニメ系の場合は、変更部分だけがスプラ
イトやBGで動かすといった感じが主流でした。
まあ、DAPSとかみたいなスゴイ技術も存在したけど。

とにかく、今の技術を想像してはいけません。

TOWNSではスプライトも使用してる!?

そんな記事が以下のHPで掲載されていました。
とても興味深い記事でした。

●TomOne の ねもと
 フラクタルエンジンの謎
http://p-act.sakura.ne.jp/TOWNS/FractalEngine.html



<当時最高峰のCG>
 フラクタルエンジンデモで表示される動画のCGは、
さすがにリアルタイムで表示されているわけではありません。
あらかじめフラクタル理論によって作られたCGの絵を動画
で再生しているにすぎません。
 でも、その「動画で再生する」という技術自体が
当時としては凄いことだったわけです。

 現代のゲームだと、これよりもずっと細かくてキレイな
CGがリアルタイムで描かれるわけで、時代の進歩を感じて
しまいますね。

 


<ゲームになったフラクタルエンジン>

 フラクタルエンジンはリアルタイムCG生成では無く、
基本的には動画の垂れ流し再生だったので、
ゲームの背景として使われました。

 だから、つまり、
あらかじめき決められた映像しか再生出来ない。

 ゲームの背景で決められた動画を
背景として使用・・・となると
名作MEGA-CD版の「シルフィ−ド」でも同じような
動画の使われ方がされていましたね。
(当時はかなりびびったものです)


 フラクタルエンジンはDEMO画面用とばかり
思っていたのが、動画の再生ばかりか同時に
キャラクターを動かしたり、BGMや効果音を
鳴らしたりまで出きるとは誰もが思っていなかった
だけに、大変驚いたものです。

 ただ、常にCD-ROMからデータを読み込んでいるので
CDによる生音は使用できませんでした。
 でも、音楽再生用にPCM8音+FM6音のスペックを持つ
TOWNSですから、全く問題はなかったようです。
(実現には大変な技術だったとは思いますが)


 ただ、シグノシスの作るゲームは、残念ながら
見た目は凄いのだけど、ゲーム性や操作性が低く、
ゲームバランスが悪いものが多かった。

つまり、「画像や音はいいけど、つまらない」
まさに、技術屋さんが作るゲームといった感じ。
TOWNSでいえば、CRI(CSK総合研究所)も
似た傾向でしたね。

 でも、それでも、良かったんです。
やはり、あのグラフィックを見ているだけで、
それだけで満足だった。

そういう時代だった。



<フラクタルエンジン採用ゲーム>

・スカベンジャー4(ヘビーノバ)
・マイクロコズム
・メガモーフ

 後に、MEGA-CDや3DOなどにも移植されました。
TOWNSの優位性は薄れたかに思いますが、やはり
パソコンということもあり、一番画質がよかったのは
TOWNSですね。

 あ、そういえばPC(DOS/V)にも移植されていたっけ。
こっちはTOWNSを超えていたかも。(未PLAYなので不明)


<めまぐるしく かわる時代>

 1995年ともなると、パソコンでは年末にはWINDOWS95も
登場し、ごく普通にAVIファイルが小画面ながら作成&再生が
出きる時代がやってきました。
 その前の年である1994年には3DO、PS、SSも発売され、
ゲーム機も新時代を迎えていました。

 そんな急速な時代の流れで 残念ながら、1995年を
さかいにTOWNSも元気を失い、フラクタルエンジンのような
動画もだんだん珍しくないものとなっていきました。

※もっとも、その後めまぐるしく発展していった
リアルタイムCGはポリゴン+テクスチャーによるもの。
レイトレ(レイトレーシング)やフラクタルは、やはり
リアルタイム向きでは無いのでゲームには利用されていない
ようです。

※そういえば、賛否両論だったPS2の
ポリゴン版「スペースハリアー」で
「フラクタルエンジン」が採用されていました。

もっとも、今回紹介のシグノシスの「それ」とは
また別物だとは思いますがね。
 フラクタルをONにしたときの地形はとても
キレイです。そのかわり、処理も重くて、ゲームも
スピードが、けっこう落ちます。

 でも、スペハリといえば、無機質な市松模様の
タイル床も魅力のひとつ。フラクタル オフのほうが、
スペーシーです(^^)


 さらに、X68000、PC-98もDOS/Vの波にはかなわず、
パソコン界から消えていったわけです。

 そんな激動の時をリアルタイムに体験できたのは、
今思えば貴重な体験だったように思いますね。

 これから先、どのような激動の時がやってくるのだろうか?

 


PC-98本








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シルフィードCD




posted by retrogamer at 22:50| Comment(2) | TrackBack(1) | レトロPC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かCD-ROM初搭載パソコンでしたっけ?
初めて目にしたグレーの32ビットパソコンにココロときめきましたね。「X68000がなんぼのもんじゃ」って。(笑

私が目を奪われたのはデータウエスト「Ms.DETECTIVE」ですね。DAPSで再生される動画に驚嘆し、本体とソフトを購入してました。本体はモニター一体型の『UG』でした。
その後Win3.1を搭載したモデルに買い換え、OSもWin95へアップグレードをしたのですが、当の富士通はFMVの方へ移行しており、タウンズの歴史に幕がおりるのでした。
ちなみに私が1番のお気に入りのソフトは「ふしぎの海のナディア」です。フルボイスで喋るキャラクターに「タウンズ持ってて良かった」と心底思いましたよ。


>フラクタルエンジン
真っ先に思い浮かべるのはメガCDの「シルフィード」ですね。手間の掛かったフラクタルエンジンのシーンがユーザーにあまり人気が無かったという雑誌の記事が印象的でした。(笑
Posted by code_VR. at 2007年09月17日 22:40
コメントありがとうございます。

code_VR. さんも、TOWNSユーザー
だったとは知りませんでした(^^)!

retrogamehはというと、UX(通称モナコ)が初TOWNSです。CPUが廉価版だった386SXだったので、けっこう動かないフリーウエアが多くて、悲しい思いをしました(泣)後に、Fresh ETに買い換えました。

ナディアは良かったですね。
フルボイスが贅沢すぎ!

 TOWNSは後期はX68000のユーザー数
を越えたのもつかの間。TOWNSシリーズが
終端に向かうのは以外に早かったですよね。当時「Oh! FM-TOWNS」誌が休刊に
なったのが一番痛かったのかも。
 富士通もV-TOWNSでPentium3ぐらい
までは 引っ張って欲しかったところですネ。


>手間の掛かったフラクタルエンジンのシー>ンが

そうなんですよね。
これはもう、マーフィーの法則みたいなもんですよ。

作り手とユーザーギャップとでも
いいましょうか?!

音楽でもそうですよね。アーチスト的には
魂をこめて造った曲のつもりでも、リスナーには受けが悪くて、気を抜いて適当に
造った曲が大ヒット!なんてこともあるようです。

 ブログやHPの記事にしてもそうですよね。大変な手間や時間をかけて書いた記事で、自分では満足な記事を書いているつもりでも、あまりアクセスが伸びない記事も意外に多いんですよね。
 でも、気を抜いて、ちょこちょこっと
短時間で書いた記事に人気が集まるなんてこともよくある話。

 世の中とはそういうものだから、
気楽に生きたもの勝ち?!
って思ってしまいますが、実は、
 やっぱり、普段の努力あっての
スマッシュヒットなのかもしれませんね。
Posted by retrogamer at 2007年09月18日 22:11
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Tracked: 2007-09-12 10:09